中小企業の求人に応募が来ない?|媒体を変える前に見直すべき「求人票の伝え方」

求人票を赤ペンで添削している写真

「中小企業 求人 来ない」で検索すると、どの記事にも同じ対策が並んでいます。

SNSで発信しましょう。Indeedに載せましょう。採用サイトを作りましょう。

どれも間違いではありません。でも、これを全部やっても応募が来ない会社があります。

私は中小企業のダイレクトスカウト代行・採用支援の仕事をしていて、支援の最初に必ず求人票を確認します。

そこで毎回感じるのが、業界も規模も違うのに、求人票に書いてある言葉が驚くほど似ているということです。

「アットホームな職場」「未経験歓迎」「やりがいのある仕事」

どの求人票を開いても、同じ言葉が並んでいる。これでは、どの媒体に出しても求職者から見れば「その他大勢」のままです。

媒体やSNSは「求人を見てもらう回数」を増やす手段です。でも、見た人が応募するかどうかは、求人票の中身で決まります。

この記事では、媒体やSNSの話ではなく、求人票そのものの「伝え方」に絞って書いています。お金もかからず、今日から手をつけられる部分です。

目次

なぜ「媒体を変えても応募が来ない」のか

求人票を何十件と読んでいると、あることに気づきます。

業界も会社の規模も違うのに、使われている言葉がほとんど同じなのです。

たとえば、タイトルに「未経験歓迎」「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」と書いてある求人は、建設業にも製造業にも介護にも飲食にもあります。

本文の冒頭も、「私たちと一緒に成長しませんか?」「人柄重視の採用です」といったフレーズが業界を問わず繰り返されています。

これは、書いている側は自社の魅力を伝えているつもりでも、求職者から見るとどの会社の求人票を開いても同じに見えているということです。

求職者の立場で考えてみてください。求人サイトで検索すると、同じ職種の求人がずらっと並びます。

タイトルに並ぶ言葉が似ていれば、わざわざ一つひとつ開いて読む理由がありません。条件でソートして、給与が高い順に数社だけ見て終わる。これが現実です。

求人サイトで施工管理の求人タイトルが並んでいる画面

この状態で媒体を増やしても、「同じ求人票をより多くの人に見せている」だけです。

見た人が「この会社の話をもっと聞いてみたい」と思わなければ、応募にはつながりません。

上位記事の多くが「知名度がないから応募が来ない」と書いています。確かに知名度があれば有利です。

でも、知名度がなくても求人票を開いてもらえている会社はあります。求人サイトの検索結果には、大手も中小も並んで表示されるからです。

問題は「見つけてもらえない」ことではなく、「見つけた人が応募する理由がない」ことのほうが大きい。

では、求人票のどこを変えれば「この会社の話を聞いてみたい」と思ってもらえるのか。

求職者が求人票を読む順番に沿って、効果の大きい3つのポイントを整理します。

求人票の「伝え方」で変えられる3つのポイント

求人票を全部書き直す必要はありません。

求職者が読む順番に沿って、効果の大きい3箇所だけ変えるほうが現実的です。

① タイトル — 求職者が最初に見る唯一の情報

求人サイトの検索結果で、求職者が見るのはタイトルと条件の数行だけです。ここで「この求人を開いてみよう」と思わせられなければ、本文がどんなに良くても読まれません。

中小企業の求人票を読んでいて最も多いパターンが、タイトルが「条件の羅列」か「全員が使う言葉」で埋まっていることです。

「未経験歓迎/月給25万円〜/土日休み」「アットホームな職場で一緒に働きませんか」

こうしたタイトルは、同じ業界の求人が10件並んだときに区別がつきません。

タイトルを改善した求人が他の求人の中で目立っている画面

ここで考えるべきは、同じ職種の求人が10件並んだとき、自社の求人だけが違って見える要素が入っているかです。

条件が業界の中で珍しいなら、その条件をタイトルに入れる。

条件で差がつかないなら、条件以外の「この会社ならでは」をタイトルに入れる。

この判断をするためには、同じ職種の求人を実際にいくつか検索して見比べる必要があります。

自社の求人が他社と並んだときに、どう見えるか。この「並べて見る」視点が、タイトル設計の出発点です

これだけで、条件を変えずにクリックされる確率が変わります。

実際の求人票でタイトルをどう変えるかの事例は、以下のシリーズで業界別に解説しています。

「勝手に添削」シリーズ一覧

② 冒頭の数行 — 読み進めるか閉じるかの分岐点

タイトルで興味を持った求職者がクリックして、次に目にするのが本文の冒頭です。ここが第二の関門です。

中小企業の求人票で多いのが、冒頭がタイトルとほぼ同じ情報で始まっているパターンです。

タイトルに「月給25万円〜/未経験歓迎」と書いてあるのに、本文の冒頭でも同じ条件をもう一度並べている。これだと求職者は「新しい情報がない」と判断して離脱します。

もう一つ多いのが、抽象的なスローガンから始まるパターン。

「私たちは○○を大切にしています」「お客様の笑顔のために」——

こうした言葉は、書いている側にとっては大事な理念かもしれません。

でも求職者の立場で考えると、タイトルで「おっ」と思ってクリックした直後です。

この時点で知りたいのは理念ではなく、「タイトルに書いてあったことの裏付け」や「この会社は他と何が違うのか」。

期待した情報が冒頭になければ、「思ったのと違った」と閉じてしまいます。

冒頭の役割は、タイトルの先にある情報を出すこと。タイトルで「おっ」と思わせたら、冒頭では「だからこの会社は他と違う」と思わせる。

この順番を意識するだけで、読み進めてもらえる確率は変わります。

③ 仕事内容 — 応募の決め手になる場所

タイトルで手を止めてもらえた。冒頭で読み進めてもらえた。ここまで来た求職者が、最後に判断するのが仕事内容です。

私自身の実感としても、応募を最終的に左右するのは給与や休日よりも「仕事内容」です。条件は相場並みでも、仕事内容が具体的に書かれている求人は反応が違います。

にもかかわらず、仕事内容に「施工管理業務全般」「営業活動」「介護業務」とだけ書かれている求人票が非常に多い。

私自身、さまざまな業界の求人票を読んでいて繰り返し感じるのが、「未経験歓迎」と書いてあるのに、仕事内容の書き方が経験者にしか通じないという矛盾です。

書いている側は業務内容を正確に書いているつもりですが、その業界を知らない人が読むと何も想像できません。このちぐはぐが、応募を遠ざけています。

仕事内容を充実させる方法はいくつかあります。

業務の詳細を箇条書きにする、必要なスキルや資格を具体的に書く、1日の流れを見せる。

この中で最も効果が大きいのは「1日の流れ」です。

なぜなら、箇条書きやスキル一覧は「何が求められるか」を伝える情報ですが、1日の流れは「そこで働く自分」を想像させる情報だからです。

求職者が応募を決めるのは、条件に納得したときではなく、「ここで働く自分が想像できた」ときです。

専門用語を使うなら「つまり何をするのか」を一言添える。

「朝は何をして、日中は何をして、夕方にはどうなるのか」——

これが書かれているだけで、未経験者でもその仕事を想像できるようになります。


この3つのポイントに共通しているのは、条件を変えずに「見せ方」を変えるだけということです。

給与を上げる必要も、休日を増やす必要もありません。

今ある情報を、求職者の読む順番に合わせて整理し直す。それだけで、同じ条件・同じ媒体でも結果は変わります。

ただし、伝え方だけでは限界があるケースもあります。


それでも変えられないもの — 伝え方の限界

ここまで「伝え方を変えれば結果は変わる」と書いてきましたが、正直に言えば、伝え方だけでは限界があるケースもあります。

給与が同じ地域・同じ職種の相場より大幅に低い場合

たとえば、相場が月給25万円の職種で月給18万円だと、どんなにタイトルや冒頭を工夫しても厳しい。

求職者は複数の求人を比較しているので、条件が目に見えて劣っていれば候補から外れます。

年間休日が極端に少ない場合

業界の標準が110日前後なのに80日台であれば、伝え方の工夫で覆すのは難しい。

この場合は、条件そのものを見直すことが先です。

上位記事が言う「待遇を相場に合わせましょう」というアドバイスは、このケースではまさに正しい。


では、伝え方で変えられるのはどういう場合か。

条件は相場と大きく変わらないのに、求人票を開いても他社との違いが見えない。

そこで応募を逃している会社が、実は一番多いと感じています。

条件は悪くないのに、求人票には条件しか書かれていない。

会社の中身に強みがあるのに、それが求職者の言葉に翻訳されていない。

こうした「伝え方で損しているケース」は、求人票の見直しだけで改善できる余地が大きい。

整理すると、こうなります。

  • 条件が相場から大きく外れている → まず条件の見直しが先
  • 条件は相場並みなのに応募が来ない → 伝え方の問題。求人票の見直しで改善できる可能性が高い

媒体を増やす、SNSで発信する、採用サイトを作る——

こうした施策は、伝え方を整えた上でさらに効果を上げるための手段です。

順番を間違えると、中身が同じ求人票をより多くの人に見せるだけになります。

まとめ

中小企業の求人に応募が来ないとき、多くの記事は「媒体を変えましょう」「SNSで発信しましょう」と勧めます。

どれも間違いではありませんが、求人票の中身が変わらないまま露出だけ増やしても、結果は変わりにくい。

この記事で伝えたかったのは、媒体を変える前に、まず求人票の「伝え方」を見直すということです。

ポイントは3つ。

  • タイトル:同じ職種の求人が並んだとき、自社の求人だけが違って見える要素が入っているか
  • 冒頭:タイトルの繰り返しではなく、「その先の情報」が出ているか
  • 仕事内容:その仕事を知らない人が読んでも、1日の流れが想像できるか

条件を変える必要はありません。今ある情報を、求職者の読む順番に合わせて整理し直すだけです。

実際の求人票でどう変わるかを見たい方は、以下のシリーズも参考にしてみてください。

「勝手に添削」シリーズ一覧

まずは、自社の求人票を開いて、タイトル・冒頭・仕事内容をこの記事の視点で読み直してみてください。それが、最もコストがかからず、今日からできる一歩です。

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この記事を書いた人:Create Match 中小企業向けダイレクトスカウト代行・採用サポーター。「建設業×施工管理×地方」という最も反応が取りにくい条件で、業界平均3.5倍の返信率を実現。中小企業の採用を、求人票の設計から支援しています。

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この記事を書いた人

中小企業向けダイレクトスカウト代行・採用サポーター。「建設業×施工管理×地方」という最も反応が取りにくい条件で、同条件平均の約3.5倍の返信率を実現。中小企業の採用を、求人票の設計から支援しています。

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